忘年会☆

忘年会の時期である。

この時期、
妹が、職場の仲間や友だちと「忘年会に行く」と言えば、

「あ、その日私行けないかも。
 皆残念がると思うけど、よろしく頼むわ!」と返事をする。

ちなみに私は一切誘われていない。仲間でもない。

やさしい妹は
「分かったよ。姉ちゃんいなくて、皆残念がると思うけど、姉ちゃんの分まで盛り上げてくるわ。」と返してくれる。

面倒な姉である。

当の私は、そう言ってると何だか本当に誘われた気分になって、
「今頃みんな、盛り上がってるかな?」と架空の仲間を思い、微笑んでいる。

そんな私も今年、
「忘年会やるんだけど、来ませんか?」と誘っていただいた。

え?わたくし?

行きますわ。
靴下も穴が空いていないことですし、お座敷でも大丈夫、行きますわ!

そう思って家を出ようとした時、

「痛っ!」

急に右足に痛みが走ったので、何かと思って足下を見た。

え・・

足に何かが噛み付いている。
それは一瞬、亀か何かかと思ったのだが、
財布だ・・。
財布が私の足に噛み付いていたのだ。(正確にはチャックが足の皮膚を噛んでいた)

取ろうとしてもがっちり噛んでいて、離そうと思っても離れない。
まるで意思を持っているようだ・・い、いつの間に・・

私は歯をくいしばって痛みに耐えながら、何とかチャックを開いた。
・・と思ったら財布はまた私に噛み付いてこようとする。

こいつ、意思を持っている!

その時私はハッとした。

これは!
・・この財布は、私がフランスで盗まれた財布ではないか!

突然財布が喋りだした。

「忘年会?どのツラ下げていくんだい?」

また私はハッとした。

そうだ、私にはお金がないのだった。
いや、正確にはお金に余裕がないのだった。

友人にフランスで借りたお金を返したり、正月実家に帰る費用だったり、
もうすぐクリスマスだったり(あ、これは無関係)、
何だりかんだり・・

しかも忘年会の会費は五千円近いと言っていた。
私が行けた身柄ではないではないか。

「そうだった。ふふ、私ったら・・身の程知らずさん。」

私は久々に再会した財布に謝った。
「財布、ごめんね。盗まれてしまってごめんね。
 でも、帰ってきてくれたんだよね?」

財布は何も言わずじーっとしていた。

もしかしたらじっと私を見つめていたのかもしれないけれど、
目がどこなのか分からなかった。

すると財布は、チャックを開いてカパっと口を開けた。

や!また噛まれる!と思って思わず私は目を瞑った。
・・が、財布は開けた口からベロを出して、先ほど自分が噛んだ傷口を舐めた。

よく見ると、ベロかと思ったのは同じく盗まれた地下鉄の回数券であった。

硬い券で舐められて痛かったが、
財布なりの謝り方なのだろうと思って我慢した。

あ、ところで、財布の中身(つまり現金)はどうなったのだろう・・。

最も気になるその部分に触れようと、財布に触れようとしたら、
財布はベロを引っ込め、またじーっと私を見た(多分)。

そして、

「Au revoir à jamais」

と言って消えてしまった。

「永遠にさようなら」だってさ。

財布の奴、しっかりフランス語マスターしてた・・。

なんてね。自宅妄想。

皆さん、楽しい忘年会を☆
私は行けないけれど、皆によろしく。

<格言>
酒は飲んでも飲まれるな。
恋には時に飲まれてみよう。

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Commented by 松風 at 2011-12-27 08:12 x
読切短編小説みたい!
自然とにやけてしまう(笑)
笑って年が越せそうだ(^-^)/


Commented by ちゅげ at 2011-12-27 16:59 x
あの財布どこ行っちゃったのかなぁ~。
2年後にフランスで運命的な再会をしたりしてね♪
忘年会かぁ。。もう年末ね。
30日楽しみ!!♪うちらの忘年会♪
Commented by ayajijo at 2012-01-02 22:08
*松風

えへ、ありがとう!
笑って年は越せましたか?
よい一年になるといいね。幸あれ☆
Commented by ayajijo at 2012-01-02 22:09
*ちゅげ

あの財布はきっと中身を抜かれてどこかに捨てられてるのだろうな。
忘年会ありがとう!
次の旅行計画楽しみに、またよい一年を過ごそうね☆
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by ayajijo | 2011-12-19 23:15 | 妄想とか | Comments(4)