SUSHI
2015年 08月 15日
現在、一軒家を借りて共同生活をしている。
妹はよく私に言う。
「姉ちゃんは一人の方がいいんだって。」
ワ・・ワカッテマス、
でも、高いのだ。家賃が高いのだ。
一軒家なんて借りてしまったものだから、家賃が一人では高すぎるのだ。
だから共同生活。
生き抜くための共同生活。
昨年から何度か人が入れ替わったりしているが、
今は一人、青年(体は大人、心は小学三年生くらい)の男子と共同生活をしている。
日本人と韓国人のハーフなのだが、スウェーデン人の元で育てられたという男性で、
この一行だけで複雑な感じだが、家庭環境は更に複雑のようで、
私からはうまく話せないっていうか、そもそも彼の言語をうまく理解出来ていないので話せないって感じ。
その人とは一年くらい前からメールや手紙などで交流していたこともあり、
時々大ゲンカするものの、彼の持つ少年性(小三くらい)により、わりとさっぱりと仲直りし、家族みたいに気楽に暮らしている。
いい年齢の青年に「小三くらい」というのは大変に失礼なことだとは思うが、
彼の趣味は”ファミコンとゲームウォッチとビックリマンシールを集めること”だという。
先日は「ヤフーオークション」で欲しかったゲームウォッチが安く落札できた~!と、
室内を走り回って妙な踊りを踊っていたのだが、そのヤフオクを見てみると誰とも競り合ってなかった。
そんな感じなので、むしろ今時の小三くらいの子の方が大人びてるのではないか?と思ったりもしている。
さて、そんな小三氏と先日お寿司を食べに行った。
もちろん高級店ではない。くるくる廻る寿司だ。
「食べたいものがあったらこのタッチパネルで注文するんだよ。」
と、私は流暢な身振り手振りで伝える。
その日はどうもプリンやケーキばかりが流れてくるので、
私は自分の食べたいものを注文し、向かいに座る小三氏に「君も注文するかね?」と目で聞いてみたが、首を横に振る。
時々流れてくるものは取って食べているが、
食べたいものがあっても注文しようとしない。
私はその理由を流暢な英語で尋ねてみる。
「ホワイ?」
彼は言う。
これは”楽しむもの”なのだ、と。
食べたいものをレーンの遠くで発見したら、さてそれが自分のところまで流れてくるか、
はたまた何処かで誰かに取られるのか、それをドキドキしながら待つのが楽しいのだ。
安易に注文してしまっては、来るのは当然。
それではこの回転の楽しみを味わえない!
僕は注文せずに、この流れに身を任せるのだ!!
(おそらくこのようなことを言っていた)
先日ラジオでお笑い芸人の誰かが、
「回転寿司は入ったらすぐ食べられる。待たなくていい。」
と言っていて、ああそうか、回転寿司は腹ぺこな人にぴったりだなぁと、思ってお寿司が食べたくなったのだが、
なるほど少三氏、そんな楽しみ方があったか。
と思いつつも私は普通に注文し、
小三氏は「あ~!とうとういくらが来た~!誰も取るなよ~!うお~!」と他の客を遠巻きに威嚇していた。
最終的には思うものがほとんど廻ってこないので、
私が強制的に注文し、満腹満足して店を出た。
帰り道小三氏はゲームセンターを覗いて帰ると言い、
私は本屋を覗いて帰るといい、別々に同じ家に帰った。
by ayajijo | 2015-08-15 23:14 | 日々